がんが分かって、一番意外だったのは、患者に対する精神的なフォローが何もないことだった。
告知だって、言葉は選んでくれていたが、あっさりすっぱりされる。
「ドラマとちがーう!!!!」
しばらくは眠れなかったし、食欲もなかった。
病院によっては、がん専門の看護士さんがいて、相談にのってくれたりするもよう。
でも、基本的には不眠が続いたり、うつ傾向がでた時点で、精神科や心療内科にまわされることになるのではないだろうか。
問題は、ショックと死への恐怖なので、時間が解決する面もあると思うけど、精神的なサポートはあった方がいいと思う。
私の場合は、たまたま、大学の心理学科に通信制で在籍していて、その関係で薦められて、臨床心理士のカウンセリングを2年間受けていたところだった。
そのまま受けていてもよかったのだが、病気が分かったときに、友人に先輩のユング派のカウンセラーを紹介してもらった。
以降、ずっとセッションを受けている。
これは、とても助けになった。
いくら家族でも、死への恐怖というものは分ちあえるものではない。
カウンセラーには何を言ってもいいのだ。(と、いうことを2年間の臨床心理士との面談で体得していたので、よかった)
カウンセラーとは、それを受け止める訓練をした人たちだ。
がんで闘病中の方達、家族の方にはぜひ、カウンセリングを受けてもらいたいと思う。
本人はもちろん、病人と暮らす、看護するというのは、自分のことでないだけに、常に相手を気遣いつづけることを強いられる。
これはこれで、相当なストレスだろう。
でも、
「本人はがんのショックと闘病で、もっと大変だから。」
と、ストレスを覆い隠して、ためこんでしまうのではないだろうか。
日本人にはなじみがないので、カウンセリングを堅苦しく考えてしまうかもしれない。
もやもやドロドした感情を
「王様の耳はロバの耳ーーー!」
って、やるだけでも違うんです。
人間ってきっと、原始的な脳(扁桃体?)で感じる恐怖とか怒りを、人に言語で伝えようとするときに、前頭葉を通すことによって、自分にも分かる形に変換できるのではないかと。
話すことによって、すっきりする、心が落ち着くというのは、そういう作用によってではないかと思います。
ただし、誰に話すかというのは大事な点。
家族や友人では、遠慮や、ブレーキがかかってしまう。
カウンセラーや心理士は、全くの他人だから、話した後のことを考える必要や心配はしなくていい。プロだから。
泣いたって、わめいたっていい。
お説教めいたことも励ますようなこともいいません。
ただし、カウンセラーもピンキリで、ちょこちょこっと講座受けて資格が取れますみたいなのはダメです。
国家資格というのはないので、臨床心理士にかかるのが、安全でしょう。
新百合ケ丘の「リボンズハウス」という、がん患者のためのコミュニケーションのサロンでは、腫瘍精神科医の丸田先生という方が、グループカウンセリングをされています。
丸田先生は、アメリカのメイヨクリニックで、がん患者のメンタル面の治療を専門に診察されてきたそうです。
私も参加したいのだけど、診察と曜日があわず、見送っています。
その他、リボンズハウスでは、抗がん剤治療中の方に、メイクアップアーティストの山崎多賀子さん(ご自身んも乳がんサバイバー。体験を雑誌に連載)のメイク講座を定期的に開いたり、ネイルやセルフエステの指導などもあります。
メイク講座には出席しましたが、無料でプロに丁寧に指導してもらって、とても得した気分に。
抗がん剤の副作用でくすみが出ていたのを、きれいにカバーしてもらって、嬉しくてスキップして帰りたいようでした。いい気分転換になりました。
その他にも、いろいろ患者さん向けの企画をされているので、ぜひ、のぞいて見て欲しいスポットです。
丸田先生のグループカウンセリングは、患者さん、ご家族どちらでも参加できます。これは有料で、週1回で4回1クールだったと思います。
自助グループに参加していた患者さんの方が、予後がよかったという調査もあるようです。メンタルな効果の現れかもしれません。
少人数なので、患者会は合わないかも…と思われている方にもいいのではないでしょうか。